MLMの商品が売れないと、「もっと多くの人に声をかけなければ」と考えがちです。しかし、商品販売だけに絞って考えるなら、人数を増やす前に確認したいのは、誰に何をどう伝え、どの段階で購入につながっていないのかです。
結論からいうと、商品が売れない状態のまま勧誘人数だけを増やしても、同じ断られ方を繰り返す可能性があります。まずは商品を必要とする人、伝え方、価格への納得感、購入条件などを分けて確認することが大切です。
この記事では「MLMで稼げない」という組織づくりや報酬の話ではなく、あくまでMLMの商品そのものが売れない場合の原因と改善ポイントに限定して整理します。
MLMの商品が売れないなら勧誘人数より販売の流れを確認する
商品が売れないとき、「話した人数が少ないから」と考えるだけでは原因を特定できません。購入までには、商品を知る、興味を持つ、自分に必要か考える、価格や条件を確認する、購入を決めるという複数の段階があります。
まずは、どの段階で止まっている人が多いのかを確認してみましょう。
| 状況 | 考えられるポイント |
|---|---|
| 最初から話を聞いてもらえない | 対象者や話の切り出し方を確認する |
| 説明は聞いてもらえるが興味を持たれない | 商品の特徴ではなく相手にとっての価値を伝えられているか確認する |
| 興味は持たれるが購入されない | 価格、購入条件、必要性への納得感を確認する |
| 一度は購入されるが続かない | 実際の満足度や継続する理由を確認する |
| 説明すると相手が警戒する | 売り込み感やMLMへの不安が強くなっていないか確認する |
「何人に話したか」だけではなく、「どこで止まったか」を記録すると、商品の問題なのか、対象者の問題なのか、伝え方の問題なのかを判断しやすくなります。
MLMの商品が売れない7つの原因
MLMの商品が売れない理由は一つとは限りません。商品自体に問題がなくても、紹介する相手や説明の順番が合っていなければ購入にはつながりにくくなります。
ここでは、勧誘人数を増やす前に確認したい7つのポイントを順番に見ていきます。
原因①:商品を必要としていない人に紹介している
最初に確認したいのは、「その人が商品を必要としているか」です。
商品の品質に自信があると、できるだけ多くの人に知ってほしくなります。しかし、化粧品でも健康食品でも日用品でも、必要性や好み、現在使用している商品、予算などは人によって異なります。
商品が良いことと、目の前の人に必要なことは別です。
例えば現在使っている商品に満足している人へ、同じ用途の商品を強くすすめても変更する理由は生まれにくいでしょう。一方、「今使っている商品で困っていることがある」「ちょうど別の商品を探している」という人なら話の受け止め方が変わります。
人数を増やす前に、まず「どのような人がこの商品を必要とするのか」を具体的に整理してみてください。
原因②:商品の特徴ばかり説明している
成分、原材料、製造方法、会社の歴史、独自技術などは商品の特徴です。しかし、特徴をたくさん説明したからといって、それだけで購入理由になるとは限りません。
購入する側が知りたいのは、「その特徴が自分にどのように関係するのか」です。
例えば「この素材を使用しています」という説明だけで終わらず、「どういう使い方を想定した商品なのか」「一般的な商品と何が違うのか」まで整理すると、商品を自分ごととして考えやすくなります。
説明する情報量を増やすより、相手が判断するために必要な情報を選ぶことが重要です。
原因③:相手の悩みを聞く前に商品説明を始めている
商品について詳しくなるほど、会話の早い段階から説明したくなるものです。しかし、相手の状況を知らないまま説明を始めると、一方的な営業に感じられることがあります。
まず現在使っている商品や困っていること、商品選びで重視している点などを確認したほうが、必要な説明を絞り込めます。
- 現在どのような商品を使っているか
- 今の商品に不満があるか
- 商品を選ぶとき何を重視するか
- 価格帯はどの程度を考えているか
- 定期購入やまとめ買いに抵抗がないか
聞いた結果、商品が合わないと判断できることもあります。その場合は無理にすすめないことも、長期的な信頼を保つうえでは重要です。
原因④:価格の理由が伝わっていない
商品に興味を示しても、価格を聞いた段階で購入をやめる人が多い場合は、単純な「高い・安い」だけでなく、価格に対する納得感を確認する必要があります。
購入者は、同じ用途の商品、容量、使用期間、購入頻度などと比較しながら判断します。
そのため、「良い商品だからこの価格です」と説明するだけでは十分ではありません。
価格そのものを説得するのではなく、内容量や使用方法、購入条件まで含めて判断できる情報を提示することが大切です。
反対に、競合商品より明らかに高く、購入者が感じる違いも小さいのであれば、販売トークだけで解決しようとしないことも必要です。
原因⑤:商品よりMLMの話が前に出ている
商品を購入したい人と、MLMのビジネスに参加したい人は必ずしも同じではありません。
商品の話を聞いている途中で、報酬制度や紹介制度、組織拡大の話が中心になると、「商品を買うだけでは済まないのでは」と警戒されることがあります。
今回の目的が商品販売なら、まずは一人の消費者が、その商品単体に価値を感じるかを考えることが重要です。
「ビジネスに参加しなくても、この価格でこの商品を買いたいと思えるか」という視点で見直すと、商品の販売力を冷静に判断しやすくなります。
原因⑥:体験談や熱意に頼りすぎている
自分が商品を気に入っていると、その体験を伝えたくなります。実際に使った感想は商品のイメージを伝える材料になりますが、体験談だけで購入を決めてもらおうとすると注意が必要です。
感じ方には個人差があります。また、特に健康食品や化粧品などでは、商品の効果について事実以上に断定的な表現をしないことが重要です。
「私は良かった」から「あなたにも必ず同じ結果が出る」へ飛躍させないようにしましょう。
会社から正式に提供されている商品情報や表示内容を基準にし、分からないことは分からないままにするほうが、結果的には信頼されやすくなります。
原因⑦:断られた理由を確認せず次の人へ進んでいる
商品が売れないと、すぐ次の人へ声をかける方法に切り替えがちです。しかし、それでは同じ問題を繰り返している可能性があります。
断られた理由は、「商品が嫌だから」とは限りません。
- 今は必要ない
- 価格が合わない
- 似た商品をすでに使っている
- 定期的に購入するのが負担
- MLMという販売方法に抵抗がある
- 説明が長くて判断できなかった
こうした理由を分類すると、どこを改善すべきか見えてきます。
ただし、断った相手へ何度も購入を迫ることは避けましょう。断られた理由は販売方法の改善材料として利用し、相手の意思は尊重することが基本です。
勧誘人数を増やす前に販売数字を4段階で分ける
「全然売れない」という感覚だけで判断せず、販売までの数字を分けてみると原因を見つけやすくなります。
| 段階 | 確認する数字 | 数字が低い場合に見るポイント |
|---|---|---|
| 接触 | 商品について話す機会があった人数 | 対象者の選び方 |
| 興味 | 詳しい話を聞きたいと感じた人数 | 話の切り出し方、ニーズとの一致 |
| 検討 | 価格や購入条件まで確認した人数 | 商品の価値、価格、購入条件 |
| 購入 | 実際に商品を購入した人数 | 最後に残っている不安や比較対象 |
例えば、話を聞いてくれる人そのものが少なければ、商品説明を改善する前に対象者や最初の会話を見直す必要があります。
一方、商品説明までは進むのに価格を伝えると止まる人が多いなら、人数よりも価格への納得感や商品価値を確認するべきでしょう。
売れない場所を特定してから改善することで、闇雲に人数だけを増やす必要がなくなります。
MLMの商品販売では「売る人」より「買う人」の視点で考える
商品を販売する側は、商品のメリットをよく知っています。そのため、「知ってもらえれば良さが分かる」と考えやすくなります。
しかし購入する側には、別の判断基準があります。
- 本当に自分に必要なのか
- 現在使っている商品から変える理由があるか
- 価格に納得できるか
- 一度だけ購入できるのか
- 継続購入が必要なのか
- 購入後に勧誘されないか
- 断っても人間関係に影響しないか
特に友人や知人に販売する場合、商品の評価とは別に人間関係への不安が加わります。
だからこそ、商品の説明だけでなく、「買わなくても関係は変わらない」「必要なければ断って構わない」状態を保つことが大切です。
商品の説明は「悩み・商品・判断材料」の順に整理する
商品説明が長くなってしまう場合は、情報を3段階に分けると整理しやすくなります。
最初に相手の状況を確認する
最初から商品の説明を始めるのではなく、現在どのような商品を使っているか、何か困っていることがあるかを確認します。
特に困っていないのであれば、無理に商品の必要性を作る必要はありません。
関係する特徴だけを説明する
相手の状況が分かったら、その人の判断に関係する特徴だけを説明します。
商品について知っている情報をすべて話す必要はありません。情報量が多すぎると重要なポイントが分かりにくくなります。
最後に購入条件を確認できるようにする
商品に興味を持った人には、価格だけでなく内容量、購入単位、送料、継続条件、返品条件など、購入判断に必要な情報を確認してもらいます。
メリットだけを強調するのではなく、条件を理解したうえで本人に判断してもらうことが大切です。
MLMの商品が本当に売れる商品なのかも確認する
販売方法を改善しても反応が変わらない場合は、「自分の売り方が悪い」と決めつけず、商品自体の競争力も確認してみましょう。
チェックしたいのは、次のような点です。
- 同じ用途の商品と比べて価格に大きな差がないか
- 購入者が分かる違いがあるか
- 購入条件が複雑ではないか
- 継続しなければならない負担が大きくないか
- リピートしたいと思える商品なのか
- MLMという仕組みがなくても商品だけを購入したいと思えるか
特に重要なのは最後の項目です。
報酬制度や人間関係を取り除いても購入したいと思える商品かを考えると、商品そのものの販売力を確認しやすくなります。
購入者から価格や品質について同じ指摘が繰り返し出ている場合は、個人のトークだけで解決できる問題ではない可能性もあります。
MLMの商品を販売するときに知っておきたい注意点
MLMの中には、取引内容によって特定商取引法上の「連鎖販売取引」に該当するものがあります。商品が売れないからといって、説明方法を強引にしたり、勧誘目的を隠したりすることは避けなければなりません。
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、連鎖販売取引について勧誘を行う場合、勧誘に先立って名称、特定負担を伴う契約の勧誘目的、商品または役務の種類などを告げるルールが示されています。
また、商品の品質や性能、利益、負担、契約解除などの重要事項について事実と異なることを伝えたり、重要な事実を告げなかったり、相手を威迫して困惑させたりする行為も規制されています。
連鎖販売取引に該当する契約では、一定の要件のもとで20日間のクーリング・オフ制度もあります。
販売数を増やすことより、相手が正確な情報を得たうえで自分で判断できる状態を作ることを優先しましょう。
なお、具体的にどの法律や規制が適用されるかは契約形態や販売方法によって異なります。所属会社のルールだけに頼らず、実際の取引内容に応じた確認が必要です。
勧誘人数を増やす前に確認したい10項目
MLMの商品が思うように売れないときは、次の項目を一度チェックしてみてください。
- 商品を必要としそうな人を具体的に説明できるか
- 相手の悩みを聞く前に商品説明を始めていないか
- 商品の特徴だけでなく購入するメリットを説明できるか
- 同じ用途の商品との違いを説明できるか
- 価格の理由を客観的に説明できるか
- 商品販売とビジネス勧誘が混ざっていないか
- 体験談を事実以上に一般化していないか
- 購入条件や継続条件を分かりやすく説明しているか
- 断られた理由を記録しているか
- 一度断った人へ繰り返し購入を迫っていないか
複数の項目に当てはまる場合は、声をかける人数を増やすより、まず一つずつ改善したほうが販売状況を分析しやすくなります。
MLMの商品が売れないときによくある質問
MLMの商品が売れないのは話す人数が少ないからですか?
人数だけが原因とは限りません。対象者が商品と合っていない、商品の価値が伝わっていない、価格や購入条件に納得されていないなど、購入までの途中に原因がある可能性があります。まずどの段階で断られているか確認することが重要です。
商品に自信があるのに売れないのはなぜですか?
販売する人が感じる商品の価値と、購入者が感じる価値は必ずしも同じではありません。品質が良くても、必要性や価格、競合商品との違いが購入者にとって十分でなければ購入されないことがあります。
友人や知人に商品をすすめないと売れませんか?
必ずしも友人や知人である必要はありません。また、人間関係があることと商品を必要としていることは別です。関係性を理由に購入を期待するのではなく、商品を必要としているかどうかを基準に考えることが大切です。
断られた人には何回まで声をかけてもいいですか?
回数で機械的に判断するのではなく、相手の意思を尊重してください。購入しない意思を示している人へ繰り返し勧誘する方法は避けるべきです。断られた理由は相手を再度説得するためではなく、自分の販売方法を見直す材料として利用するほうがよいでしょう。
MLMの商品が高いと言われたらどう説明すればいいですか?
無理に「高くない」と説得するのではなく、内容量、使用期間、品質、購入条件など比較できる事実を整理します。それでも相手が高いと感じる場合は、その判断を尊重することが大切です。
商品販売とビジネスの勧誘は分けたほうがいいですか?
商品だけに興味がある人へ報酬制度や組織づくりの説明まで同時に行うと、購入判断が複雑になることがあります。商品販売を目的とする場面では、まず商品そのものを購入する価値があるか判断できる情報を整理したほうが分かりやすくなります。
MLMの商品が売れないときは人数より原因を特定しよう
MLMの商品が売れないとき、最初にすることは勧誘人数を増やすことではありません。誰に紹介しているのか、どの段階で断られているのか、商品の価値や価格に納得されているのかを分けて確認することが重要です。
特に、商品を必要としていない人への紹介、特徴ばかりの説明、相手の悩みを聞かない販売、商品販売とビジネス勧誘の混同があると、人数を増やしても同じ結果になりやすくなります。
まず商品単体で「必要だから買いたい」と思ってもらえる状態を目指し、断られた理由や購入までの数字を確認してみてください。販売方法だけでなく商品自体の価格や購入条件も含めて見直すことで、次に改善すべきポイントが見つけやすくなります。



