最近、健康志向の人たちの間でよく耳にする「水素水」や「還元水」。そして、その水をめぐるネットワークビジネスが今、密かに注目を集めています。
しかしその一方で、「水素水ビジネスは怪しい」「勧誘されたけど断れなかった」といった声もちらほら。
この記事では、水素水や還元水の基本から、ネットワークビジネスの仕組み、そして実際にあったトラブル事例まで、やさしく丁寧に解説していきます。
「体にいいから」と始めたつもりが後悔しないよう、正しい知識を身につけましょう!
そもそも水素水や還元水って本当に効果あるの?
水素水・還元水とは?違いや特徴をやさしく解説
水素水とは、水の中に水素分子(H₂)を溶かし込んだ飲料水のことです。もともと水素には「活性酸素を除去する抗酸化作用がある」と言われており、健康や美容に良いと話題になりました。一方、還元水は「電解還元水」とも呼ばれ、電気分解によって水のpHをアルカリ性にし、還元力(電子を与える力)を持たせた水です。
どちらも体の中の「酸化ストレス」にアプローチするとされていますが、厳密には仕組みが異なります。水素水は水素ガスが含まれているのがポイントで、封を開けると抜けやすいのが難点。還元水は専用の機械を使って家庭で作られることが多く、医療機関などでも導入されている例があります。
ただし、水素水も還元水も「飲んだから病気が治る」というような医学的効果がはっきりと証明されているわけではありません。健康維持の一環として取り入れるのは良いですが、過剰な期待は禁物です。また、価格が非常に高い商品もあるため、内容成分やメーカーの信頼性をしっかりチェックすることが大切です。
ナチュラリープラスの水素水の効果は本当?評判を検証
「ナチュラリープラス」は、水素水業界でも有名なネットワークビジネス企業です。代表的な製品として「IZUMIO(イズミオ)」という水素水があり、飲みやすさやパッケージの技術が高評価を受けています。しかし、「効果があるのかどうか」については賛否が分かれています。
公式サイトなどでは、「抗酸化作用」「アンチエイジング」「疲労回復」などが期待できると紹介されていますが、こうした効果はあくまで一般論であり、特定の商品が科学的に証明されているわけではありません。消費者庁も、過去に水素水に関する誇大広告に対して注意喚起を行っています。
SNSなどを見ると「飲んで元気になった」という口コミもありますが、一方で「変化を感じなかった」「高すぎる」という声も。製品自体は飲料水としては問題ないものの、効果に関しては個人差が大きいというのが現実です。
また、販売がネットワークビジネス方式で行われているため、ビジネス目的で広める人も多く、口コミの信頼性を見極めることも重要です。
プレミカ水素水とは?口コミと実際の成分分析
「プレミカ水素水」は、近年ネットを中心に注目されている水素水ブランドのひとつです。高濃度水素を特徴としており、健康志向の高い層に人気があります。公式サイトによると、専用のアルミパウチに封入されており、水素の抜けを防ぐ設計になっているのが特徴です。
実際の口コミを調べてみると、「飲みやすい」「毎日続けやすい」といった肯定的な意見もある一方で、「価格が高い」「効果が実感できない」という声も少なくありません。成分表を確認すると、水道水を原水とし、そこに水素を溶かし込んだシンプルな構成ですが、科学的に有意な健康効果が確認されているわけではありません。
こういった商品は、あくまで「体に良さそうだから飲む」レベルで考えるのがベストです。「飲むだけで病気が治る」「ダイエットに即効性がある」といった主張には注意が必要です。あくまで健康維持の一環として取り入れるようにしましょう。
水素水で健康になる?科学的根拠を探る
水素水の人気は「健康に良い」とされていることにありますが、果たしてその根拠はどの程度あるのでしょうか?これまでにいくつかの研究が行われていますが、ヒトに対する大規模な長期研究は非常に限られています。
たとえば、2012年のある研究では、水素水を飲んだグループが疲労感を減らしたという報告がありますが、被験者数が少なく、明確な因果関係を示すには不十分です。また、水素分子は体内に入るとすぐに拡散・排出されるため、長期的にどのような効果をもたらすかはまだ明らかではありません。
現時点では、「体に悪いわけではないが、明確な効果があるとも言い切れない」というのが科学的な評価です。そのため、健康改善の「補助」として考えるのが現実的で、「これだけでOK」と思わないことが大切です。
話題の水素水「イズミオ」の営業停止はなぜ起きた?
水素水業界でも有名なブランド「イズミオ(IZUMIO)」は、ナチュラリープラスが展開している水素水です。過去には一時的に「営業停止」の情報が出回ったことがあり、注目を集めました。これは商品に問題があったわけではなく、販売方法や広告表現に関する問題が影響しているとされています。
特定商取引法や薬機法に違反するような説明や勧誘が行われた場合、企業には行政指導や処分が下されることがあります。ネットワークビジネスでは、個々の販売員の発言が企業の責任とされるケースもあるため、慎重な運営が求められます。
実際、ナチュラリープラスも過去に行政指導を受けたことがあり、現在ではコンプライアンスに力を入れているとされています。水素水の品質自体に問題があったわけではありませんが、「営業停止」という言葉だけが独り歩きすると、消費者に不安を与えることになります。
ネットワークビジネスの仕組みと水素水商品の関係
還元水とネットワークビジネスのつながりとは?
還元水は、アルカリイオン水や電解水とも呼ばれ、水道水を電気分解して作られます。この還元水は「体に良い」と言われ、健康志向の人々の間で人気があります。そのため、ビジネスチャンスとして注目され、ネットワークビジネス(いわゆるMLM=マルチレベルマーケティング)の商品として広まるようになりました。
実際に、還元水を扱う企業の多くがネットワーク販売の形をとっています。理由はシンプルで、「体に良さそう」「身近な人に紹介しやすい」「高額商品でも売れる」からです。還元水を生成する専用の機械は数十万円以上するものも多く、購入した人が紹介者となって次の顧客を生み出すことで報酬が発生します。
このように、健康商品である還元水とネットワークビジネスは非常に相性が良く、一部の企業では“夢の権利収入”として宣伝されることもあります。ただし、還元水の健康効果については医学的な根拠が乏しいため、「売るための情報」と「本当の効果」のギャップに注意が必要です。
水素水と権利収入のからくりをわかりやすく解説
「水素水を売るだけで権利収入が得られる」といった甘い言葉で勧誘されることがあります。ここで言う「権利収入」とは、自分が誰かに水素水を紹介し、その人がさらに別の人を紹介することで、間接的に報酬が得られる仕組みです。
この仕組みは一見魅力的に見えますが、実際に安定した収入を得られるのはごく一部の上位紹介者のみです。ほとんどの参加者は月々の商品購入にかかる費用や登録料を負担するだけで、利益を出せないケースが多いのです。
また、ネットワークビジネスでは「毎月の購入ノルマ」が設定されていることがあり、在庫がたまってしまうトラブルも報告されています。さらに、周囲の友人や家族に紹介する過程で人間関係にヒビが入ることも。
「水素水で健康になりながら収入も得られる」というのは一見魅力的ですが、ビジネスモデルの構造をよく理解したうえで判断することが大切です。特に、収入を得るために無理な勧誘をしてしまわないように注意しましょう。
水素水ビジネスが怪しいと思われる理由
「水素水ビジネス=怪しい」と感じる人は少なくありません。その背景には、過去にいくつもの問題が報道されてきたことや、商品の価格と内容のバランスに違和感を持たれることが関係しています。
まず、水素水は科学的な健康効果が限定的であるにもかかわらず、「がん予防に効く」「若返り効果がある」といった誇張表現で宣伝されることがあります。こうした表現は薬機法違反となる可能性があり、企業や個人が処分を受けるケースも。
また、ネットワークビジネスという仕組み自体が「紹介ありき」の構造になっているため、「商品よりビジネスの勧誘が主目的なのでは?」という疑念を生むことも。さらに、一部の企業では初期費用や在庫を大量に抱えるような営業手法が問題視されています。
「怪しい」と思われるのは、決して偶然ではありません。水素水ビジネスに限らず、「高額で根拠のあいまいな商品+ネットワーク販売」という組み合わせは、消費者の不信感を招きやすいのです。
アッチェの水素ビジネスはやばい?その実態を調査
「アッチェ(Atcha)」という会社名で水素ビジネスを展開していた企業が一部で話題になりました。ネット上では「アッチェ 水素 やばい」「アッチェ 水素ビジネス 怪しい」といった声が見られます。
アッチェでは、水素水関連商品をネットワークビジネス形式で販売していたとされ、ビジネスチャンスを強調した勧誘が目立ったようです。SNSや口コミを通じて人を集め、商品の販売と会員の獲得を両立するモデルでした。
しかし、実際には「商品が高すぎる」「効果が感じられない」「収入が得られない」といった不満が多く、途中で辞めた人も多かったと言われています。また、会社自体の運営や情報開示に不透明な点があり、「やばい」と言われる理由になっています。
このような事例からもわかるように、水素水ビジネスにおいては「企業の信頼性」や「ビジネスモデルの透明性」が非常に重要です。うまい話に飛びつく前に、必ず事実を確認しましょう。
ネットワーク商法とマルチ商法の違いはどこにある?
「ネットワーク商法」と「マルチ商法」は混同されやすい言葉ですが、どちらも多段階に紹介者が報酬を得る仕組みで、基本的な構造はほぼ同じです。日本では「連鎖販売取引」という名称で法律的に定義されており、これは特定商取引法の対象となります。
違いをあえて挙げるとすれば、「ネットワーク商法」という表現はややソフトなイメージを持たせるために使われることが多いのに対し、「マルチ商法」は否定的な文脈で語られることが多いという点です。
どちらも合法なビジネスモデルですが、問題はその運用方法にあります。虚偽の説明、誇張した効果、強引な勧誘、知人への圧力などが発生した場合、それは違法行為や社会的問題に発展する可能性があります。
健全なネットワークビジネスも存在しますが、消費者としては「法的に守られているか」「実際の運用が適切か」を見極める目が必要です。
実際にあった水素ビジネスのトラブル事例と注意点
アッチェ水素で起きた問題とネット上の声
水素水を扱うネットワークビジネスの中でも、「アッチェ」は特にネット上で話題になりました。YouTubeや掲示板、SNSでは「アッチェ 水素 やばい」「アッチェ 水素ビジネス 怪しい」といったワードが検索され、数々の体験談が投稿されています。
問題点として多く挙がっているのが、「高額商品」「強引な勧誘」「収益が出ない仕組み」です。たとえば、数十万円する水素生成器を購入するよう勧められ、その後は友人や知人を紹介することで報酬が得られると説明されます。しかし、実際には商品が高すぎて売れず、人間関係を壊してしまったという声も多数あります。
また、アッチェのビジネスは紹介報酬がピラミッド状になっており、「儲かるのは上位の一部だけ」という構造。下位の会員は毎月のノルマをこなすために自己購入を重ね、経済的な負担を抱えることになります。
これらの問題から、アッチェの水素ビジネスは「やばい」と言われるようになりました。こうした実態を知らずに参加すると、後悔するケースが多いので注意が必要です。
勧誘でトラブルになりやすいパターンとは?
水素ビジネスを含むネットワークビジネスでは、商品そのものよりも「勧誘」が大きな問題になるケースが多いです。特に、以下のようなパターンはトラブルになりやすいので要注意です。
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友人・知人をターゲットにする
信頼関係があるため断りにくく、紹介された側が不快に感じて関係が悪化するケースが多発しています。 -
セミナーに誘い出す
「勉強会」や「お茶会」と称して、実際にはビジネスへの勧誘目的の集まりだったというトラブルもあります。 -
健康不安をあおるトーク
「これを飲めば病気が防げる」「家族の健康が守れる」など、不安をあおる手法は薬機法違反のリスクも。 -
強いリーダーに依存する構造
「この人についていけば儲かる」といった洗脳的な構造になっていることもあります。 -
断りづらい空気感
勧誘を受けた場で、そのまま契約まで進んでしまうケースも。
こうしたトラブルを避けるためには、安易に「人に紹介する前提」でビジネスを始めないことが大切です。
水素水ビジネスと薬機法・特定商取引法の関係
水素水ビジネスには、薬機法(旧薬事法)や特定商取引法が深く関わっています。これらの法律は、消費者を保護するために作られており、違反すれば企業や個人に対して行政処分や罰金が科されることもあります。
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薬機法:医薬品・医療機器・健康食品の広告や効能表示を規制する法律。たとえば、「がんが治る」「老化を防ぐ」などの表現はNGです。水素水も例外ではなく、明確な効果をうたうと違法になります。
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特定商取引法:ネットワークビジネス(連鎖販売取引)を対象に、契約書の交付やクーリングオフの説明、誤認を与える勧誘を禁止しています。
実際に、水素水を扱うネットワークビジネス企業の中には、これらの法律に違反して行政指導を受けた事例もあります。知らずに違反してしまうと、販売員個人にも責任が及ぶ可能性があるため、法令遵守は絶対です。
実際に損した人の体験談と教訓
実際に水素水ビジネスに参加し、損失を出した人の体験談には共通点があります。「儲かると思って始めたのに、結局自分で買い続けるだけだった」「友達を失ってしまった」「借金までして商品を買ってしまった」など、その被害は経済的なものだけではありません。
たとえば、ある女性は「健康に良いし、紹介すればお小遣いにもなる」と友人に誘われて水素水ビジネスに参加しましたが、売れずに在庫を抱え、毎月の支払いに苦しむことに。結果的に、親しい人との関係も悪化し、辞めざるを得なくなったそうです。
このような体験から得られる教訓は、「簡単に儲かる話には裏がある」ということ。どんなに良さそうな話でも、自分でしっかり調べ、冷静に判断する目を持つことが大切です。
消費者庁・国民生活センターが注意喚起している理由
水素水ビジネスに限らず、ネットワークビジネス全般に対して、消費者庁や国民生活センターはたびたび注意喚起を行っています。特に、水素水などの健康商品が関係する場合は、「効果があいまい」「勧誘が強引」「契約内容が不透明」といった理由から相談件数が多いのです。
実際、国民生活センターの統計によると、ネットワークビジネスに関する相談は年間1万件を超える年もあり、その中で健康食品や飲料水が関係するケースも多く含まれています。
消費者庁は、「商品の説明やビジネス勧誘において、事実と異なる内容が伝えられることでトラブルが発生している」と指摘しています。また、「簡単にもうかる」などの表現についても、誤認を招くとして厳しくチェックされています。
こうした機関が注意喚起しているという事実は、水素水ビジネスを始める前に一度立ち止まって考えるべきサインと言えるでしょう。
なぜ水素水はネットワーク販売に向いているのか?
健康志向と口コミがビジネスに使われるワケ
現代は健康志向が高まり、「体に良いもの」を求める人が増えています。水素水は「飲むだけで健康になる」というイメージが広まりやすく、多くの人が興味を持ちやすい商品です。そして、その特性がネットワークビジネス(MLM)に非常に向いている理由でもあります。
ネットワークビジネスは、口コミを通じて商品を広める仕組み。つまり「自分が体験して良かったから」と伝えやすい商品が向いています。水素水はまさに、「何となく体に良さそう」「飲んで体調が良くなった気がする」といった“体感ベース”の口コミが発生しやすい商材です。
また、病院での治療とは違い、副作用の心配が少ないイメージもあり、高齢者や健康に不安がある人へのアプローチにも適しています。これにより、紹介のハードルが低く、多くの人が「自分でもできそう」と参入しやすくなるのです。
ただし、科学的根拠が不明確な状態で「効果がある」と断言してしまうと、薬機法に抵触する可能性があります。ビジネス目的で広める場合は、法的な知識と倫理観が求められます。
権利収入を強調する理由とそのリスク
水素水ビジネスの勧誘でよく出てくるのが、「権利収入が得られる」という言葉です。これは、紹介した人がさらに誰かを紹介することで、自分に継続的な報酬が入ってくる仕組みを指します。つまり「寝ていてもお金が入ってくる」といった夢のような話です。
この仕組み自体は違法ではありませんが、現実には権利収入を得られる人はごく一部です。ほとんどの人は、初期費用や毎月の仕入れ・自家購入で出費がかさみ、赤字になることも珍しくありません。紹介者が増えなければ、収入も増えないという構造的なリスクをはらんでいます。
また、権利収入を得るためには、自分が上位ランクに上がる必要があり、そのためには多くの人を勧誘し、グループを形成する必要があります。その過程で、無理な勧誘をしてしまったり、友人関係が壊れたりするトラブルも多発します。
権利収入の夢を追いかける前に、その仕組みの現実とリスクをよく理解しておくことが大切です。
一部の人だけが儲かる仕組みとは?
水素水を扱うネットワークビジネスでは、「本当に儲かっているのは一部の上位メンバーだけ」という構造が存在します。これは、多段階報酬制度により、紹介すればするほど報酬が上に流れていく仕組みがあるためです。
たとえば、自分がAさんに商品を紹介し、AさんがさらにBさんを紹介した場合、Bさんが購入した金額の一部がAさん、さらにその上の自分にも入るという流れです。このように「ピラミッド型」で報酬が上がっていくため、上に行けば行くほど多くの報酬を得られるのです。
しかし、問題は「このピラミッドがどこまで拡大するか」にあります。多くの人が参加していくうちに、市場が飽和し、次の紹介先が見つからなくなると、下の層の人たちは利益を出せなくなってしまいます。結果、在庫を抱えるだけの状態になることも。
つまり、一部の先行者が大きな利益を得る一方で、多くの後続参加者は損失を被るリスクが高いという構造なのです。こうした仕組みを理解せずに「儲かる」と思い込むのは危険です。
「怪しい」と言われても人が集まる理由
「水素水ビジネスは怪しい」と言われながらも、なぜ多くの人が興味を持ってしまうのでしょうか?その理由は、心理的なトリックや社会的要因が関係しています。
まず、「健康に良い」「稼げる」というキーワードは、人々の不安や欲望に直結しています。体調に不安がある人や、収入を増やしたい人にとって、こうしたビジネスは非常に魅力的に見えるのです。
次に、「知り合いからの紹介」という信頼関係が利用されるため、怪しさに気づきにくくなります。加えて、セミナーや体験会などでポジティブな雰囲気を演出し、成功者の話を聞かされると「自分もできそう」と錯覚してしまう心理が働きます。
また、「今始めないとチャンスを逃す」「今なら初期費用が安い」といった限定性を強調されることで、冷静な判断ができなくなってしまうことも。
こうした心理的アプローチにより、人は「怪しいかもしれない」と思いつつも、つい参加してしまうのです。
広告規制や法律面から見た注意点
水素水ビジネスを展開する上で注意すべき法律のひとつが薬機法と特定商取引法です。これらを知らずに活動してしまうと、悪気がなくても違法行為になってしまうことがあります。
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薬機法では、「〇〇に効く」「病気が治る」といった効能・効果を商品に表示したり口頭で説明することが禁止されています。水素水も医薬品ではないため、効果を断言する表現はNGです。
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特定商取引法では、連鎖販売取引(ネットワークビジネス)に関して、「勧誘の際に身分を明かさない」「クーリングオフの説明を省略する」といった行為は禁止されています。
さらに、広告についても消費者庁は厳しく監視しており、誇大広告や虚偽表示に対しては処分の対象となります。過去には大手企業も水素水の表現に関して行政指導を受けた例があります。
「良い商品を広めたい」と思っていても、法に触れれば信用を失います。水素水を扱う人は、商品の知識だけでなく、法律にもきちんと目を向ける必要があります。
信頼できる水素水を選ぶためにできること
ネットワーク販売と通常販売の価格差の比較表
水素水には「ネットワークビジネスで売られているもの」と「一般的に販売されているもの」がありますが、価格に大きな差があることをご存じでしょうか?ここでは、代表的な製品を例にとって価格差を比較してみましょう。
| 商品名 | 販売形態 | 容量 | 価格(税込) | 100mlあたりの価格 |
|---|---|---|---|---|
| IZUMIO(イズミオ) | ネットワーク販売(ナチュラリープラス) | 200ml×30本 | 約13,000円 | 約21.6円 |
| プレミカ水素水 | 通販・定期便 | 500ml×24本 | 約9,600円 | 約8円 |
| コンビニ水素水A社製 | 一般販売 | 300ml×24本 | 約4,800円 | 約6.6円 |
このように、ネットワーク販売の商品は、同じ水素水でも価格が2~3倍になることもあります。その理由は、「報酬の分配コスト」が商品価格に上乗せされているためです。つまり、上位会員に払う報酬が、購入者の負担となっているのです。
高価な水素水が必ずしも悪いわけではありませんが、「なぜ高いのか」を知ることはとても重要です。納得して買うためには、価格と成分のバランスを冷静に見極める力が必要です。
購入前に確認すべき3つのポイント
水素水を購入する前に、以下の3つのポイントを確認することで、後悔しない選び方ができます。
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製造方法と水素濃度
水素水には「水素を注入する方式」と「電気分解する方式」があり、水素の濃度も商品によってまちまちです。0.8ppm以上が高濃度とされており、これを基準にするのがおすすめです。 -
保存容器の素材と構造
水素は非常に抜けやすいため、アルミパウチや特殊ボトルなど、密閉性の高い容器であるかを確認しましょう。ペットボトルではすぐに水素が抜けてしまいます。 -
第三者機関の検査や認証マークの有無
効果や安全性を保証するには、第三者機関の検査や、ISO認証などのマークがあると信頼度が上がります。公式サイトでしっかり確認しましょう。
これらのポイントを意識することで、見た目や宣伝文句に惑わされず、自分に合った商品を選ぶことができます。
信頼できるメーカーかを見分けるチェックリスト
水素水の商品選びで迷ったときは、以下のチェックリストを使って、信頼できるメーカーかどうかを判断しましょう。
✅ 公式サイトに製造元・成分分析・検査機関の情報が明記されている
✅ 薬機法や特定商取引法に関する説明がしっかりとされている
✅ 顧客サポート窓口が用意されており、質問に丁寧に対応してくれる
✅ SNSや口コミで過剰な誇張表現が見られない
✅ 販売価格が極端に高すぎない・価格の根拠が説明されている
これらの項目がクリアされていれば、安心して商品を選びやすくなります。逆に、公式サイトが曖昧だったり、成分が明記されていなかったりする商品は、注意が必要です。
また、企業の実績や販売年数、過去に行政処分を受けた履歴がないかも調べておくと安心です。信頼できるメーカーの見極めが、失敗しない水素水選びの第一歩です。
効果があるかを見極めるにはどうしたらいい?
「水素水に効果があるかどうか」は非常に個人差が大きい問題です。科学的な裏付けも一部にとどまっているため、自分で判断することが必要になります。以下のような方法で、自分に合っているかを確かめましょう。
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一定期間、毎日飲んでみる
1~2週間続けて飲み、体調や気分に変化があるか記録してみましょう。ただしプラセボ効果の可能性もあるため、あくまで参考程度に。 -
医師や専門家に相談する
持病がある方や薬を服用している方は、必ず医師に相談しましょう。特に、腎臓疾患やナトリウム制限がある場合は注意が必要です。 -
口コミやレビューを読み過ぎない
SNSやブログには「効果があった!」という声も多いですが、ビジネス目的の投稿も混じっているため、鵜呑みにしないことが大切です。 -
他の生活習慣も見直す
水素水だけで体調が劇的に変わることは稀です。食事・睡眠・運動など、他の健康習慣と組み合わせて考えましょう。
自分の身体の声を聞きながら、「合うかどうか」を見極める姿勢が大切です。
「自分の目で判断する力」を育てよう
水素水に限らず、健康商品やネットビジネスでは「周りが言っているから」「有名な人が紹介していたから」という理由で選んでしまいがちです。でも本当に大切なのは、自分の目で見て、判断する力を育てることです。
たとえば、「商品に科学的根拠があるか」「販売方法が合法か」「価格に納得できるか」など、自分で調べ、比較し、納得して選ぶことが重要です。特に水素水ビジネスは、感情に訴える勧誘が多いため、冷静な判断が求められます。
「うまい話には裏がある」という基本を忘れず、たとえ信頼している人からの紹介でも、まずは一歩引いて考えてみましょう。そして、自分に合っていると判断したなら、安心して使い続ければいいのです。
正しい情報をもとに、自分の健康とお金を守る力を身につけましょう。
まとめ
水素水や還元水は、健康志向の高まりとともに注目を集めてきましたが、その効果については科学的に明確な根拠が十分とは言えません。一方で、こうした“なんとなく体に良さそう”という商品特性は、ネットワークビジネスとの相性が良く、ビジネス商品として拡大していきました。
実際には、高額な商品を購入したにもかかわらず、効果を実感できなかったり、勧誘によって人間関係が壊れてしまったりする事例も少なくありません。「権利収入」「健康改善」「簡単に稼げる」といった言葉に惹かれるのは自然なことですが、その裏側にあるビジネス構造やリスクを正しく理解しておく必要があります。
また、消費者庁や国民生活センターも注意喚起をしている通り、法的なトラブルや誇大広告の問題も存在します。自分や家族の健康を守るため、そして大切なお金や人間関係を守るためにも、「本当に信頼できる情報」を見極める目が必要です。
「体に良いものを選ぶ」ことは大切ですが、それと同じくらい「騙されないための知識」も大切です。この記事がその手助けになれば幸いです。

