MLMの説明まではできても、最後に「やりますか?」と聞く場面になると急に言葉が出なくなる。そんなふうに、クロージングだけが苦手だと感じていませんか。
とくに「契約を迫っているようで嫌だ」「断りにくい空気を作りたくない」「友人関係まで壊れそうで怖い」という人にとって、強く決断を求めるクロージングは大きなストレスになります。
結論からいうと、クロージングを「相手を契約させるための最後の一押し」と考える必要はありません。相手が自分の意思で参加するか、見送るか、まだ考えたいかを確認する場だと捉え直すと、必要以上に押す必要がなくなります。
MLMのクロージングが苦手なのは話し方だけの問題ではない
MLMのクロージングが苦手だと、「自分には営業力がない」「もっとトークを練習しなければ」と考えてしまいがちです。
しかし、契約を迫ることそのものに抵抗がある場合、問題は話し方の技術だけではありません。自分が大切にしたい人間関係や価値観と、教えられているクロージング方法が合っていない可能性があります。
契約を取ることが目的になると抵抗を感じやすい
説明中は相手の話を聞けるのに、クロージングになると急に苦しくなる人は少なくありません。
その原因のひとつは、それまで「相手に情報を伝える」という感覚だったものが、最後だけ「契約を取らなければならない」という感覚に変わってしまうことです。
「今日決めてもらわなければ」「ここまで説明したのだから参加してほしい」と考え始めると、相手の判断よりも自分の成果を優先しているように感じ、自分自身にブレーキがかかります。
契約しないという選択も相手に残したまま話せるかどうかが、クロージングへの抵抗感を考える大きなポイントです。
友人や知人との関係を壊したくない気持ちがある
MLMでは、もともと知っている人に商品やビジネスを紹介する場面もあります。
そのため、一般的な営業以上に「断られたあと気まずくならないか」「自分との付き合いを勧誘目的だと思われないか」と不安になりやすくなります。
この不安がある状態で強いクロージングをすると、自分でも人間関係を利用しているような感覚になり、ますます苦手意識が強くなることがあります。
友人や知人だからこそ、断っても関係が変わらないことを相手に伝えられる姿勢が重要です。
自分自身がまだ完全には納得できていない場合もある
クロージングができない理由を性格の問題だけにしないことも大切です。
商品については好きでも、報酬の仕組みや活動方法、継続に必要な負担、勧誘方法などについて、自分自身がまだ十分に納得できていないこともあります。
自分の中に疑問が残っている状態では、相手から質問されたときに自信を持って答えられません。その状態で決断だけを迫ろうとすれば、違和感が出るのは自然です。
クロージングの練習を増やす前に、「自分なら同じ説明を受けて納得して決められるか」を確認してみることも必要です。
クロージングを「契約させる場」から「意思を確認する場」に変える
クロージングへの苦手意識を減らしたいなら、契約を取るためのテクニックを増やすより、クロージングそのものの目的を変えてみる方法があります。
相手を説得するのではなく、必要な情報を伝えたうえで、現在の意思を確認するだけなら、強引な押し方をする必要はありません。
| 苦しくなりやすい考え方 | 置き換えたい考え方 |
|---|---|
| 何とか契約してもらう | 今の意思を確認する |
| 断られたら説得する | 断る理由を尊重する |
| 迷っているなら押す | 何が分からないか確認する |
| 今日決めてもらう | 判断に必要な時間を相手に委ねる |
| 断られたら失敗 | 合わないことが分かったと捉える |
最後は「どうしますか?」ではなく現在の気持ちを聞く
クロージングという言葉を意識すると、特別な決めゼリフが必要だと思ってしまいます。
しかし、相手の意思を尊重するのであれば、複雑な言い回しを用意する必要はありません。
たとえば、「ここまで聞いてみて、今はどう感じていますか?」「興味がありますか、それとも今回は見送りますか?」というように、相手が感じていることを確認します。
ポイントは、参加する方向へ誘導する質問だけにしないことです。
「やる前提」で質問されるより、「参加しない」「まだ決めない」という回答もできる状態のほうが、相手も率直な気持ちを伝えやすくなります。
「考えます」と言われても、その場で切り返さなくていい
クロージングが苦手な人にとって特に負担になりやすいのが、「ちょっと考えます」と言われたあとの対応です。
そこで反射的に「何が引っかかっていますか?」「今始めたほうがいいですよ」と押し返そうとすると、会話が説得モードへ変わってしまいます。
もちろん、相手から質問があれば答えて構いません。ただし、考える時間を求めているのであれば、その意思をそのまま受け止める方法もあります。
「分かりました。判断するときに分からないことが出てきたら聞いてください」と終えれば、無理に追い込む必要はありません。
断られた理由を論破しようとしない
「お金がない」「時間がない」「家族に相談したい」「自分には向いていないと思う」と言われると、それぞれに対する切り返しを教えられることがあります。
しかし、相手が断る理由を示しているのに、すべてを反論材料として扱ってしまうと、会話は意思確認ではなく説得になります。
相手が疑問を解消したいのか、それとも断りたいのかを分けて考えることが大切です。
断る意思が明確なら、そこで終えられることもコミュニケーション能力のひとつです。
MLMのクロージングが苦手な人が避けたい5つのやり方
クロージングへの抵抗感をなくすために、より強い言葉や心理テクニックを覚える必要はありません。
むしろ、自分自身が「これはやりたくない」と感じる方法を明確にしたほうが、迷いなく人と接しやすくなります。
その場での即決を必要以上に求める
「今日決めないと意味がない」「今ここで決断できない人は成功できない」といった形で、必要以上に即決を求めると、相手が冷静に考える時間を持ちにくくなります。
判断に必要な情報が足りないのであれば、その場で決めないこともひとつの選択です。
断る理由をすべて言い訳として扱う
断られるたびに反論を続けると、相手は「何を言っても帰らせてもらえない」と感じる可能性があります。
質問と拒否は別物です。疑問には答えながらも、参加したくない意思まで覆そうとしないことが大切です。
友人関係や恩を決断材料にする
「自分を応援すると思って」「友達なら一度くらいやってみて」といった形で、人間関係を使って決断を求める方法は避けたほうがよいでしょう。
商品や活動そのものではなく、断りにくさによって契約する状態になってしまうからです。
不安や焦りを必要以上にあおる
相手を動かすために、必要以上の不安や焦りを作る必要はありません。
伝える情報については事実と自分の体験を分け、不確かな収入見込みや結果を断定しないなど、相手が冷静に判断できる説明を心がけることが大切です。
クロージングできない自分を責め続ける
「成功する人は必ずクロージングできる」「断られるのを怖がるのは覚悟が足りない」と言われても、自分の違和感を無視する必要はありません。
苦手意識の中には、単なる緊張だけでなく、「この方法では人と関わりたくない」という自分なりの基準が含まれていることがあります。
その感覚まで克服すべき弱点として扱わず、何に抵抗を感じているのかを整理してみてください。
クロージングをしない形で会話を終えることもできる
説明をしたら、必ずその場でYESかNOかを取らなければならないわけではありません。
相手が自分で判断する余白を残したまま、会話を終える方法もあります。
「興味があれば質問してください」で一度終える
説明後に興味の度合いだけ確認し、「分からないことがあれば聞いてください」として会話を終了する方法です。
相手から具体的な質問が出てくれば、その疑問に答えます。反応がなければ、それ以上追いかけないという線引きもできます。
相手から次の行動があるかを見ることで、こちらから何度も決断を迫る場面を減らせます。
参加するかどうかより「気になる点」を確認する
説明直後に契約の意思だけを聞くのではなく、「分かりにくかったところはありましたか?」と確認する方法もあります。
相手が本当に興味を持っていれば、費用や活動内容、商品、時間などについて質問が出てくることがあります。
質問に答えたあとも、最終判断は相手に委ねます。こちらが決断を代わりに作ろうとしないことが重要です。
フォローする場合も相手の希望を確認する
「またこちらから連絡してもいいですか?」と確認し、相手が希望した場合だけ連絡するという考え方もあります。
一度説明した相手を長期間追い続けることが、自分にも相手にも負担になっているなら、フォローの方法そのものを見直して構いません。
それでもクロージングが苦しいなら活動方法そのものを見直す
クロージングの考え方を変えても強い抵抗が残る場合、「どうすれば上手に契約を取れるか」だけを考え続ける必要はありません。
自分が無理なく続けられる活動なのかという、もう一段大きな視点から考えてみることも大切です。
商品を紹介することとビジネス参加を勧めることを分ける
商品を気に入って紹介することには抵抗がなくても、ビジネス参加を勧めることには抵抗がある人もいます。
この2つを同じものとして考える必要はありません。
「商品について聞かれたら紹介できる」「自分からビジネス参加までは勧めたくない」など、自分ができる範囲を整理すると、何に苦しんでいたのかが見えやすくなります。
自分から勧誘し続ける方法が合っているか考える
人と話すこと自体が苦手なのではなく、「興味があるか分からない相手にこちらから勧めること」が苦しい場合もあります。
その場合は、自分から誰にでも声をかけることを前提にせず、まず自分がどのような活動なら納得して続けられるのかを整理したほうがよいでしょう。
やり方を変えても自分の価値観と合わないのであれば、活動を縮小したり、続けること自体を見直したりする選択肢もあります。
「苦手を克服しないと成功できない」という前提を疑う
苦手なことに挑戦して成長する考え方はあります。しかし、すべての違和感を克服対象にする必要はありません。
特に、人に決断を迫ることへの抵抗は、自分が相手との関係で何を大切にしているかを示している場合があります。
クロージングできる人になることだけを目標にせず、自分が納得できる形で人と関われるかを基準にしてみてください。
MLMのクロージングが苦手な人によくある質問
「考えます」と言われたら何と返せばいいですか?
無理に切り返す必要はありません。「分かりました。判断するうえで分からないことがあれば聞いてください」と伝え、相手に考える時間を渡す方法があります。
相手が具体的な疑問を持っている場合のみ、その疑問に答えるとよいでしょう。
最後に「やりますか?」と聞かないとクロージングになりませんか?
必ずしもその言葉を使う必要はありません。
「ここまで聞いてどう感じましたか?」「興味はありますか、それとも今回は見送りますか?」など、現在の意思を確認することもできます。
断られるのが怖くてクロージングできません
断られることを、自分自身を否定されたことと結びつけないことが大切です。
相手が断っているのは、その時点での商品や活動への参加です。タイミング、費用、興味、生活状況など理由はさまざまであり、あなた自身への評価と同じとは限りません。
アップラインから「もっと押したほうがいい」と言われたらどうすればいいですか?
教えられた方法をそのまま使うかどうかは、自分で判断する必要があります。
自分が相手からされたくない方法や、強引だと感じる方法まで使う必要はありません。活動する場合も、法令や所属先のルールを確認したうえで、自分が説明責任を持てる方法を選ぶことが大切です。
友人へのクロージングはどうすれば気まずくなりませんか?
「興味がなければ断って大丈夫」「この話と普段の付き合いは別」と先に伝え、断る余地を残しておく方法があります。
友人関係を理由に参加を求めず、断られたあとは通常の関係へ戻れる距離感を意識するとよいでしょう。
どうしても契約を勧めることに抵抗があるならMLMに向いていませんか?
クロージングが苦手という一点だけで、単純に向き不向きを決めることはできません。
ただし、活動を続けるために自分が受け入れられない勧誘を繰り返さなければならない状態なら、「苦手を克服する方法」だけでなく、その活動方法が自分に合っているかも検討したほうがよいでしょう。
MLMのクロージングが苦手なら無理に「最後の一押し」をしなくてもいい
MLMのクロージングが苦手な人ほど、「自分には説得力がない」「もっと強く言えるようにならなければ」と考えがちです。
しかし、クロージングを相手を契約させる技術ではなく、必要な説明をしたあとに意思を確認する時間と考えれば、無理な一押しは必要ありません。
相手が参加する自由だけでなく、断る自由や考える自由も残す。そのうえで自分自身にも強い違和感が残るのであれば、トークを直すだけではなく、活動の進め方や続け方そのものを見直してみてください。



