残業が多く、帰宅するころにはもう何もする気が起きない。それでも収入や将来への不安から、「副業を始めたい」と考えている人は少なくありません。
しかし、残業が多い会社員が副業を始めるときに大切なのは、毎日2時間、3時間と無理に作業時間を増やすことではありません。本業と睡眠を削らず、残っている時間と体力で回せる形を作ることが先です。
この記事では、一般的な「忙しい会社員」ではなく、平日の残業が多く副業する時間がない人に絞って、副業時間の作り方、選び方、続け方を具体的に整理します。
残業が多くて副業する時間がない人は「毎日やる」を捨てる
残業が多い人ほど、「副業をするなら平日も毎日1〜2時間くらい頑張らないといけない」と考えがちです。
ところが、退勤時間が安定しない状況で毎日の作業を前提にすると、残業が長引いただけで予定が崩れます。その結果、「今日もできなかった」という感覚が積み重なり、副業そのものを諦めやすくなります。
残業が多い人は、毎日の作業時間ではなく「1週間で何時間使えるか」で考えるほうが現実的です。
| 考え方 | 残業が多い人との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 毎日1時間必ず作業する | 低い | 残業によって予定が崩れやすい |
| 平日は短時間だけ進める | 高い | 帰宅時間が多少ずれても調整しやすい |
| 休日にまとめて作業する | 高い | まとまった集中時間を確保しやすい |
| 週単位で作業量を決める | 高い | 忙しい日と余裕のある日を入れ替えられる |
たとえば「月曜日から金曜日まで毎日1時間」ではなく、「平日に30分を2回、土曜日に2時間」のように考えます。
副業を生活へ無理やり追加するのではなく、残業を前提にして最初から余白を持たせておくことが重要です。
副業を始める前に1週間だけ時間を記録する
残業が多い人の場合、「スキマ時間を有効活用しましょう」と言われても、そもそも自分にどれだけスキマ時間があるのか分からないことがあります。
そこで最初に行いたいのが、1週間の時間の記録です。
仕事と通勤時間を先に書き出す
まずは副業時間を探すのではなく、変更しにくい予定から書き出します。
- 出勤時間
- 退勤時間
- 残業時間
- 通勤時間
- 食事
- 入浴
- 家事
- 睡眠時間
特に重要なのは、「理想的な退勤時間」ではなく実際に会社を出た時間を記録することです。
定時が18時でも、実際には20時や21時まで働いているのであれば、その時間を基準に考えます。副業計画を定時退社前提で作ってしまうと、ほぼ確実に無理が生じます。
スマホや動画など自由時間も記録する
次に、帰宅後や休日に何をしているかを大まかに確認します。
ここで目的にしたいのは、「無駄な時間を全部なくすこと」ではありません。残業後の休憩や娯楽は必要だからです。
見るべきなのは、疲れて何となくスマホを見続けている時間など、本人も満足していない時間があるかどうかです。
30分程度でも置き換えられる時間があれば、副業の調査、メール対応、文章の下書きなどに使える可能性があります。
睡眠時間は副業時間として数えない
時間を作ろうとすると、最も簡単に削れてしまうのが睡眠です。
しかし、残業ですでに疲労がたまっている状態で睡眠まで削ると、本業と副業の両方に影響が出やすくなります。
「24時から1時までなら空いている」と考えるのではなく、翌日の仕事に必要な睡眠を確保したうえで残る時間を使うことが基本です。
残業が多い人が副業時間を作る7つの方法
残業が多い人の場合、大きな自由時間を一気に作るより、小さな時間を組み合わせたほうが現実的です。
ここでは、本業を続けながら試しやすい方法を7つ紹介します。
方法①:副業する曜日を最初から減らす
最初から月曜日から金曜日まで副業を予定する必要はありません。
たとえば火曜日と木曜日だけ30分作業し、土曜日にまとまった時間を確保する方法があります。
残業が発生しても、別の日へ振り替えられる余白を残せます。
「副業をしない日」を予定として決めることも、長く続けるための時間管理です。
方法②:平日は30分以内で終わる作業だけにする
残業後に2時間集中することを前提にすると、開始するだけでも負担になります。
そこで平日は、短時間で区切れる作業を中心にします。
- 案件を探す
- 応募文を書く
- 資料を読む
- 記事の見出しだけ作る
- 翌日の作業内容を決める
- 簡単な修正をする
長時間の集中が必要な作業は休日へ回し、平日は「副業を前へ進めるための小さな作業」に限定すると負担を抑えられます。
方法③:通勤時間はインプットに使う
電車やバスで通勤している場合、通勤時間をすべて作業時間にする必要はありません。
スマートフォンで情報収集をしたり、必要な知識を学んだり、アイデアをメモしたりするだけでも、帰宅後に行う作業を減らせます。
ただし、混雑した通勤中に無理をして長文を書いたり、重要な仕事を処理したりすると疲労が増えることがあります。
通勤中は「考える・読む・メモする」、自宅では「作る」と役割を分けると使いやすくなります。
方法④:朝型へ切り替えられる人だけ朝時間を使う
残業後は疲れて副業ができないものの、朝なら集中できる人もいます。
その場合は、出勤前に30分程度の副業時間を置く方法があります。
ただし、帰宅が遅いのに起床時間だけ早めると、単に睡眠時間を削ることになります。
朝活は万能ではありません。就寝時間を前倒しできる日だけ使うなど、睡眠を確保できることを条件にしましょう。
方法⑤:休日に「2〜3時間だけ」の固定枠を作る
残業が多い会社員にとって、最もまとまった時間を確保しやすいのは休日です。
ただし、休日を丸一日副業にすると、本業の疲れを回復する時間がなくなる可能性があります。
午前中の2時間だけ、副業に取り組んだら午後は休むなど、終了時間まで決めておく方法がおすすめです。
休日をすべて副業日にするのではなく、「副業する時間」と「休む時間」を両方確保します。
方法⑥:作業開始前の準備をなくす
30分の時間があっても、「今日は何をしよう」と考えているだけで10分、20分と過ぎてしまうことがあります。
そこで副業を終えるときに、次回最初にやる作業を1つだけ決めておきます。
たとえば、「次は案件Aへ応募する」「記事の3つ目の見出しを書く」のように具体化します。
パソコンを開いてすぐ作業できる状態にしておけば、短い時間でも使いやすくなります。
方法⑦:残業が多い週は副業量を減らす
繁忙期と通常期で残業時間が大きく変わる会社もあります。
それにもかかわらず、毎週同じ副業量を維持しようとすると無理が生じます。
繁忙期は最低限の作業だけにし、仕事が落ち着いた週に作業量を増やすなど、月単位で調整して構いません。
副業を一時的に減らすことは失敗ではなく、本業と副業を両立するための調整です。
残業が多い人は「時間を拘束されない副業」を選ぶ
時間を作る方法と同じくらい重要なのが、副業そのものの選び方です。
残業が多い人は、「稼げそうか」だけで選ぶのではなく、退勤時間がずれても続けられるかを確認しましょう。
| 副業の特徴 | 残業が多い人との相性 |
|---|---|
| 好きな時間に作業できる | 良い |
| 作業を30分程度で区切れる | 良い |
| 納期まで数日以上の余裕がある | 良い |
| 毎日決まった時間に対応が必要 | 慎重に判断 |
| 夜間の長時間拘束がある | 相性が悪い |
| 急な呼び出しや即返信を求められる | 相性が悪い |
Webライティング
記事やWebサイトの文章を作る仕事です。
案件によりますが、決められた勤務時間ではなく納期までに成果物を提出する形式であれば、残業が多い人でも時間を分割しやすくなります。
平日に構成や調査を少し進め、休日に本文を書くといった分け方もできます。
動画編集や画像制作
動画編集や画像制作も、成果物単位の仕事であれば自分の時間に合わせやすい副業です。
一方で、修正回数が多い案件や短納期の案件では負担が大きくなることがあります。
最初は作業量が小さく、納期に余裕のある案件から始めたほうが安全です。
スキル販売
自分の得意なことをサービスとして販売する方法です。
文章作成、資料作成、デザイン、相談、翻訳など、自分の経験を活用できる場合があります。
受付件数を自分で調整できる仕組みであれば、残業が増えたときに新規受付を減らすことも可能です。
ブログやコンテンツ制作
すぐに収入になるとは限りませんが、自分で作業時間を決めやすい方法です。
急な納期や顧客対応が少ないため、残業によって予定が変わりやすい人とは比較的組み合わせやすいでしょう。
ただし、成果が出るまで時間がかかる可能性があるため、短期間で確実な収入が必要な場合には別の方法も検討する必要があります。
残業が多い人が避けたい副業の特徴
同じ「副業」でも、時間の自由度は大きく異なります。
特に残業時間を自分でコントロールできない人は、次のような条件に注意が必要です。
- 毎週決まった曜日・時刻に勤務する必要がある
- 本業の退勤時間と副業開始時間が近すぎる
- 即日納品が多い
- 常時チャット対応を求められる
- 深夜作業を前提としている
- 仕事量を自分で調整できない
たとえば19時から必ず勤務する副業の場合、本業で1時間残業しただけでも間に合わなくなる可能性があります。
残業が読めない人ほど、「何時から働くか」ではなく「いつまでに何を終わらせるか」で進められる副業を選ぶことがポイントです。
副業を始めるなら最初は週2〜3時間でもいい
副業を始めるとき、「これだけの時間では稼げない」と考えて最初から作業量を増やす人がいます。
しかし、残業が多い人の場合は、まず生活の中に副業を入れても本業や睡眠へ影響しないかを確認するほうが重要です。
最初の1か月は、たとえば次のような小さなスケジュールでも構いません。
| 曜日 | 副業内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 火曜日 | 情報収集・案件確認 | 30分 |
| 木曜日 | 応募・準備 | 30分 |
| 土曜日 | まとまった制作作業 | 2時間 |
| その他 | 休養・本業・生活 | 副業を予定しない |
この程度でも、副業を始めるための準備や小さな案件には取り組めます。
問題なく続けられた場合だけ、少しずつ作業時間や案件数を増やしていきます。
残業で疲れ切っている日は副業をしない
帰宅後に副業を予定していても、残業が長引いた日は予定を変更して構いません。
特に、強い眠気や疲労を感じている状態では、作業効率が大きく落ちるだけでなく、翌日の本業にも影響する可能性があります。
副業を長く続けたいのであれば、次のような中止ルールを先に決めておくと判断しやすくなります。
- 帰宅が予定より大幅に遅くなった日はやらない
- 睡眠時間を削る必要がある日はやらない
- 強い疲労を感じる日はやらない
- 翌日に重要な仕事がある日は短縮する
- 休日でも疲労が抜けていなければ休む
副業の予定より、本業と健康を維持できる状態を優先します。
残業そのものによる負担が大きく、休んでも疲れが取れない状態が続いているのであれば、副業時間を増やす前に働き方そのものを見直す必要があります。
副業を始める前に会社のルールも確認する
時間を確保できても、すぐに副業を始めるのではなく、勤務先の就業規則や副業に関する社内ルールを確認しておきましょう。
会社によっては、副業をする際に届出や手続きが必要な場合があります。また、競合する仕事、会社の機密情報を扱う仕事、本業へ大きな支障が出る働き方などについてルールが設けられていることもあります。
副業先と雇用契約を結んで働く場合には、働き方によって本業と副業の労働時間管理が関係するケースもあります。
「副業なら本業とは完全に別」と考えず、契約形態と勤務先のルールを確認してから始めることが大切です。
残業が多い人ほど「収入」より最初の継続を目標にする
副業を始めると、「月5万円」「月10万円」など収入目標に目が向きやすくなります。
しかし、残業が多い状態では、最初から大きな収入目標を設定すると必要な作業量も増え、本業との両立が難しくなる可能性があります。
最初は次のような目標でも十分です。
- 1か月副業を続ける
- 初めて1件応募する
- 初めて1件仕事を完了する
- 自分が無理なく使える時間を把握する
- 自分に合う副業と合わない副業を判断する
継続できる作業量が分かってから、収入目標を考えたほうが現実的です。
残業が多くて副業する時間がない人によくある質問
残業が毎日2〜3時間あっても副業できますか?
可能かどうかは、残業後の自由時間だけでは判断できません。
睡眠、通勤、家事、休日の回復時間まで含めて考え、無理なく残る時間があるか確認してください。平日にほとんど時間が取れない場合は、休日に短時間だけ取り組む方法もあります。
平日に副業できないと稼げませんか?
平日に毎日作業する必要はありません。
成果物を納期までに提出するタイプの仕事などは、休日中心でも進められる場合があります。重要なのは、毎日作業することより、自分が確保できる時間に合った仕事を選ぶことです。
残業後に毎日1時間だけ頑張る方法はおすすめですか?
残業時間が短く体力にも余裕がある場合は可能ですが、毎日続けることを最初から必須条件にする必要はありません。
残業が長引いた日は休む、平日は30分以内にするなど、予定変更できる形にしておくほうが続けやすくなります。
朝と夜ならどちらに副業するのがいいですか?
人によって異なります。
残業後に集中できない人は朝が候補になりますが、睡眠時間を削って早起きする方法は避けたいところです。夜でも余力が残る人は、短い作業だけ夜に進める方法があります。
副業のために睡眠時間を削っても大丈夫ですか?
副業時間を確保するために睡眠を継続的に削る方法はおすすめできません。
特に残業が多い人は、すでに本業による疲労が蓄積している可能性があります。睡眠を確保したうえで残る時間の範囲から始めましょう。
残業が多すぎて週末しか時間がありません
週末だけでも取り組める副業はあります。
平日は調査やメモだけにして、実際の作業は土日の2〜3時間にまとめる方法もあります。週末すべてを副業に使わず、休息時間も残しておくことが重要です。
副業を始めても本業に影響しないか心配です
最初の作業量を少なくし、本業への影響を確認しながら増やしていく方法があります。
遅刻、睡眠不足、集中力低下などが増えていると感じた場合は、副業時間や案件数を減らしましょう。
残業が多くて時間がないなら「小さく始めて調整する」
残業が多い人が副業を始めるときは、一般的な会社員向けの「毎日1〜2時間確保する」という考え方に合わせる必要はありません。
平日は短い作業だけ、休日にまとまった作業を行い、1週間単位で調整する形でも副業は始められます。
大切なのは、睡眠や本業を削って時間を作ることではなく、自分の実際の残業時間を基準にして、継続できる範囲を把握することです。
まずは1週間だけ生活時間を記録し、30分でも無理なく使える時間があるか確認してみましょう。使える時間が少ないなら、その時間に合う副業を選ぶことが、本業を壊さず続ける第一歩になります。



